国体の現状、剣道競技だけ完全制覇が多いのか?

考察

コロナで中止されていた国民体育大会ですが、2023年から大会も再開しました。

高校・大学・社会人とそれぞれ大会に出てきましたが、国体でいつも感じるのは、開催県の総なめ状態が必ず起こるという現象です。

全ての部門が優勝できていないこともありますが、この結果に関しては剣道競技だけ異常な状態だと感じています。

実際の他の競技連盟からもどの年も国体で剣道だけ結果が著しく開催県の圧倒的勝利に終わっていておかしいのでは?という現場の声も耳にしてきました。

開催県は確かに強化はしているけど・・・・・・

国体の開催県は、大変長い年月をかけて選手の強化をしていたり、他県で活躍する選手を引っ張ってきてメンバー構成したりして強化し大会に臨んでいるのは事実です。(2024年国スポになってからは条件がつくようになる)

年数も予算もかけて育成もしています。確かに強化によって強くなっているチームもあって、強化されたチームが勝つことも当然ながらある。

しかしながら開催県よりもはるかにメンバーの層があつく、差がある場合はいくら強化してきた開催県のチームでも負けを喫することもありますが、各世代の大会を見てきた中ではそのような結果になることはせいぜい1部門・2部門程度で、3部門以上取られているという状況をあまり多くないように思います。

今はYoutubeで国体の試合内容を確認できる時代なので、動画を見ていただければわかると思いますが、開催県に旗が軽く、対戦相手の旗が重い状況を多く見受けられる傾向にあり。

私はこの状況は本当に公明正大な審判をしているのか?と疑いをかけたくなるほどの有効打突の判断に多少疑問に感じます。

剣道試合審判規則には「第1条 この規則は、全日本剣道連盟の剣道試合につき、剣の理法を全うしつつ、公明正大に試合をし、適正公平に審判することを目的とする。」を定義されています。それが国体の場において開催県に有利に働く状況は公明正大ではありません。

ましてや国体の審判は八段の先生方が行なっているにもかかわらず地元贔屓な審判を行なっているの状況が多くあるように感じる。

全ての先生方がそうであるとはいってませんが、そうした状況を見てきている観客や選手が実際にいますし、そうした声がネット上で上がらないことがないというくらい酷い状況であることも確かです。

八段の先生は全国各地で大会での審判長として判断基準の指導や講習会指導される機会が多くある人たちだと思いますが、そうした正しい審判を教える立場にある人が公明正大な審判がこの大会で、できないのは剣道界にとって本当に正しい姿なのでしょうか。

少年少女が見ている前で人間形成の道を指導する立場にある方々、高段者の先生方にはお手本となるような審判をぜひともしていただきたい。

国体には開催県と当たれば勝つことは難しいのが暗黙ルール

これは自身の経験談になりますが、国体のトーナメントが公開され開催県と当たることがわかると先生から「開催県に勝つのはよっぽどの実力差がないと難しいから当たったら観光しにいくだけ」、「国体はお祭りだから・・・開催県のためにある大会」と言われたことがあります。

長年監督をしている先生でさえも開催県と当たると勝てないというのは常識なのだということを子供ながらに知りました。

と同時に剣道界ってそういうのがまかり通る業界なんだなということも知りました。頑張って国体選手になったのに、戦う前からそんなことを言われて非常にショックを受けました。こういうことを言ってしまう指導者も、そう思わせる大会運営も良くないと思いました。

本当にこれ少年少女の夢を奪います。

しかし、その常識をそのまま引き継いでしまってはいいのでしょうか?

この国体の結果によっては進学や就職などといった条件に適応する場合もありますし、高校生にとっては大事な試合で試合結果によって行きたい大学などにいけたり、いけなかったりする可能性もあるわけです。もちろん大学生だって。

地元開催の年が高校3年生だったら国体優勝があればどこでも受験可能になるんですよね。それを狙って越境させて地元開催の高校に進学させる親もいるほどですから。

しかも、その常識を教える監督である立場の人間が下の世代に伝えてしまっているこの異常さに気づいていない。この状態に全体が良くなると思っている方が異常だと思います。

一度、月曜から夜更かしでもこの不正の真意が問われていましたが、内容は散々たるもので悪しき文化が明らかになっていたように思いますし、出演していたタレントでさえもドン引きしていた内容でした。悲しい。

表立って言わない、これは暗黙のルールだとしたら剣道の審判とはなんのためにいるのか?公明正大とは何か?

根本から考え直す必要が出てくると思います。

公明正大な審判をしない限り良くはならない

国体に限らず、予選などにおいても偏っているなと見えるぐらいの審判がなされるというのはどの県や大会でも発生している事案です。(全てがそうではない)

こうした状況は世代が上にいくに連れて大きくなっていく傾向にあると私は考えています。

審判も人間なので、ネームバリューによる先入観、高校、大学の名前などの情報によって判断基準がブレるのも仕方のないことです。当然人間なので、誤審もあるし感情も入る。

ただ、競技を行うものとしては試合の内容で審判をしてほしいと思いますし、3人制の審判を設けているのですから公明正大に審判をするのが筋です。

この判断基準がぶれてしまい一番の被害が出るのは業界そのものであるということにそろそろ気づいてほしいと思います。ひいきが見える世界で真っ先に離れていくのは少年少女たちです。

自分の子供が頑張っているのに不正な審判で結果が思わぬ形で終わってしまうというのは、とても残酷なことですよね。

かつて高校生だったころに同じチームに入った友人が、実力があり、試合も優勢に進めていたのにも関わらずなかなか旗が上がらず、結局他者から見ても一本ではない技で負けてしまい、こうした試合が頻発したことから剣道そのものをやめてしまった人がいました。その子は「もう一生剣道はやらない」と言って去っていきました。そのぐらいのショックを与えるということです。

現代はクリーンが求められる時代です。

この状況を改善していかない限り剣道の普及やこれから剣道界を盛り上げていくであろう若手選手のモチベーションを下げることになりかねないと私は思います。

これから公明正大な審判を行うことがどの大会においてもできない限り、普及もせず剣道離れは深刻化していくでしょう。

異常な取り組みは国民体育大会の意義に反する

国民体育大会はもともと地方スポーツ、施設活用の活性化や、各都道府県の選手を育成し競技能力を高める、地元選手の発掘をするなどを目的とした大会でした。

それがいつしか他県からの強化や過剰なまでの強化が散見されるようになり、審判においても公正な審判が行われず大会そのものの価値がなくなるような事態を生んでいる状況に対し、スポーツ庁は徹底的に改革する方向を示しています。

これから正しい姿で剣道競技が行われることを切に願います。

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