稽古でのいじめについて

考察

剣道の稽古で先生や先輩からかかり稽古で向かい突きやケツバット、一人だけずっとかかり稽古など、いじめをする人がいませんか?

現代では問題になりやすいので昔に比べると少なくなっていると思いますが、まだ古い慣習に染まっていて稽古でのいじめがある学校などがあるのも事実です。

この稽古でのいじめが今後どのようなリスクを抱えるのかを考えてみたいと思います。

最悪のケースは生徒の自殺

稽古でのいじめは他の生徒が見ている中でやっているケースが多く、いじめられている・もしくは可愛がりと呼ばれるような稽古ではめる行為に関しては周囲の目に晒されながら受けるケースがほとんどです。

そうした中で自分一人だけターゲットにされているような感覚になり、他の人が手を出していなくても共犯者になってしまいます。

やられている本人は誰も助けてくれないし、全員が敵に見えてしまうんですよね。いじめが可視化されているような感覚に近いと思います。

かつて強豪高校でそのような稽古によるいじめが原因で自殺してしまった生徒がいました。高校だけではなく大学や警察の世界でも起こっている過去があるので、指導者や先輩が後輩をはめるようなことは絶対にあってはならないのです。

私が受けたいじめ稽古、みてきたいじめ稽古

「私が受けてきた稽古によるいじめ」

私がいた学校では非常に厳しい上下関係があるところでした。稽古で陰湿な先輩がいていつも誰かをいじめている先輩がいたのですが私はその先輩が怖くてかかりにいくことができませんでした。

それが目についた先輩は個別に呼び出してかかり稽古をずっとするだけではなく、ケツバットやむかい突きをひたすらやってきました。時には面の隙間に竹刀を入れるような下から突き上げる大変悪質な稽古をつけてきました。

このようなことをすると顎に竹刀が当たったり、面の中に竹刀が入るなどして歯が折れたりします。それを知っていてわざとやるのです。

もっと最悪なのは、指導者がいない所だけではなく、傍で指導者がその様子を見ているのにも関わらず止めることを一切しないことです。それどころか「いいぞ、もっと鍛えてやれ」というような雰囲気でした。

稽古が終わった後、私の首から胸板一帯はあざだらけで真っ赤になりました。

当時はこれが強豪校の稽古なんだ、頑張るしかないと思っていましたが、今考えると洗脳されていたと感じますし、明らかに異常な状態だったと思います。

今でもその先輩にあったらそのことを謝罪してほしいと思っているし、私は今も許すことができません。

2度と剣道をやらないでほしいと思います。

止められなかった「最低な稽古によるいじめ」

恵まれた体格で綺麗な剣道をする先輩がいましたが、先生が指示する内容がなかなかできない不器用な人でした。

先生は指示した内容ができないのでいつも不機嫌でした。その不機嫌によって先輩のことを他の先輩たちは「またかよ」というような目で見られるようになりターゲットになってしまいました。

よくありますよね、先生が指導を過剰にした生徒がいじめられるという現象。

先生がいない稽古の時に先輩2人がその不器用な先輩を稽古でいじめていました。最初にいじめていたのは私にかかり稽古で危険行為をした人です。

ずっと先輩をかかり稽古をしてヘトヘトにした挙句、その場に立ち始めて今度は切り返しをずっとするように始めました。当然ターゲットにされた先輩は腕も体もヘトヘトでまともにできる状態ではなかったです。

その二人の先輩はよく後輩を稽古でいじめる人だったので周りも「仕方ない」「止めれない」というような感じでした。最上級生だったため周りは止めることができずただ見ているしかできない状態でした。

今でも「あの時身体を張って止めていれば」と後悔しています。

そんないじめがあってか先輩は学校にくると過呼吸になるようになってしまいました。いじめがあったことを知らない先生は先輩が過呼吸で苦しんでいる姿をみて怒鳴りちらしていましたが、後輩であった私はまともに見ることができず、ただただその先輩の過呼吸を止めるためにビニール袋を先輩に渡して過呼吸をおさまるまで休憩室で誘導することしかできませんでした。

今思うといじめを受けた先輩は地方から出てきて越境してきて親にも頼ることもできず、本当に苦しんでいたと思います。さすがにこのいじめに関しては先輩の同級生や後輩らもひどいと思っていたためなんとか庇ってなるべくいじめを受けないような形をとるようにしていましたが、完全に止めることはできませんでした。

最悪自殺してもおかしくない状況だったと思いますが、それでも剣道を辞めるまでに至ってしまったことには変わりないですし、その状況を生んでしまった部活の悪き慣習というのはすぐにメスを入れるべきだったと思います。

もう異常な上下関係や稽古ではめたりするのやめませんか?

なぜこのようなことが起きてしまうかというと異常な上下関係や狭い環境での思考の停止がこのような状況をうむと考えています。

先輩後輩の関係があるだけでなんでもゆるされると思いがちなのが体育会系のわるいところです。

適切な上下関係や目上の人に対しての礼儀作法などや言葉づかいは必要だと思いますが、先輩側にも後輩に対する礼儀や節度といった態度はあって然るべきだと思います。

社会に出たら年齢は関係なく後輩に抜かれたりする場面も出てきます。そうした世界で年齢が少し上だというだけで偉そうにしてはいけないと思いますし適切な相手との距離感を学ぶべきだと私は思います。

指導者も先生という立場、教える立場というのが勘違いを生み出してしまいます。無意識のうちに生徒を服従させたいと思いますし、いうことを聞かない生徒は制御しようと必死になります。

しかし、それは単なる力不足でしかありません。そのことを忘れて稽古で生徒を制御しよう服従させようとすることは絶対にあってはならないのです。師弟同行なんです武道は。

指導者は古い慣習をいますぐ捨てた方が良い

今はいじめ稽古やそうした行為に対して声を上げやすくなっているので昔よりも良くなってきました。

ニュースになると「最近の生徒はすぐにパワハラだなんとかいってくる」というような指導者がいますが、それはあなたが間違っていると私は言いたいです。

いままで出てこなかっただけで、本当は声をあげたい生徒はいっぱいいたし、保護者だって声を上げたかったのです。ただ、周りがそうさせない雰囲気だったり言えない雰囲気で泣き寝入りするしかない状態だったと思います。

私も生徒だった時は先生に殴られ蹴られケツバットされ、遠征に行くと飛び膝蹴りをしたり、パイプ椅子投げたり、座った状態から生徒の胸を蹴ったりしていた先生を多く見てきました。

今やると大問題になると思いますが、そうした悪き慣習を当たり前にやっていた指導者はいますし、いまだにやっている指導者も少なからずいると思います。

それは自分達もやられてきたのでやって当然みたいなところもありますし、それが間違っているなんて思ってないのです。ある意味洗脳されてきてしまったかわいそうな人たちだと思います。

これから指導者になる人は自分が受けてきた慣習などは一切捨てて、本当に人と人との関係、「剣道」を教える指導者になってほしいと願っています。

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