指導される内容は変えない方が伸びると思う

考察

中学、高校、大学、社会人に上がっていくたびに指導者って変わっていきますよね。しかし、世代ごとに指導内容がばらつくとプレイヤーとして伸び悩む可能性があります。

例えば中学では打突や技術中心だった選手が、高校に上がった途端にどっしり構える選手を育てる方針に一気に変化を求められると積み上げてきたものを一度崩すことをしなければなりません。

スタイルを大きく変えたり、指導方針が変わってしまうのはよくありません。

一番良いのは同じ先生にずっと教えてもらうことが良いとされている事例もあるぐらいです。しかしそんな環境は小学生から大学までずっと同じところでできる環境はなく、せいぜい中高一環ぐらいまでだと思います。

そのため、進学の際は必ず稽古に参加したりして自分の剣道のスタイルにあっているかどうかを確認した方がよいと思います。

また、指導者が言っていることに対して理解がちゃんとできるかどうかも重要です。

剣道指導者の中には実際に見せて教える指導者、稽古をつけて教える指導者、防具を全くつけないで口頭が中心の指導者など本当に様々なタイプの指導者がいます。

色々なタイプの指導者に対して自分が教えてもらうときに一番わかりやすい指導が最も良いです。なぜなら理解をしてアウトプットするのと、なんとなくわかった気になってアウトプットするのでは伸び率が違うと思うからです。

進学の際は、本当によく確認をした方がよいと思います。

型にはめたがる指導者は気をつけないといけない

指導者の中には手元を上げたら怒る指導者や、継足をするなと教える指導者などこだわりを持った指導者の先生が多くいらっしゃいます。

私は初心者であればそうした型を教えるのは有効だと思いますが、ある程度年数を重ねて経験を積んできた選手については型にはめない方が伸びる傾向にあると考えています。

先に記載した通り、指導内容が変わると積み上げてきたものを一度壊さなければないらないのと同時に経験を積んで実績を残してきた選手は、そのスタイルで試合に勝ってきたという経験値があります。

その経験やスタイルを壊すということは、選手がスランプに堕ちいるように仕向けてしまいます。

それはなぜか。一度壊れたスタイルを修正するにはかなりの時間を要します。高校3年間や大学の4年間などでは簡単に修正ができるものではありません。

特練のように朝から晩まで稽古をするような環境であれば数年で修正できる可能性はありますが、180度スタイルを変えるような指導内容になってしまった場合は、特練の選手でも修正はできないと思います。

修正ができにくい時間とその間に繰り広げられる混乱が生まれてしまいます。まるで初心者に戻ったかのようになってしまうのです。スタイルを崩すということはそのぐらい危険だということを理解した方が良いと思います。

スタイルを変えて試合に勝てなくなってしまった事例

進学した指導者のスタイルが合わず、自分の剣道スタイルを変えられて試合に勝てなくなってしまった。という選手の嘆きをよく聞きます。

私が知っている事例をひとつ紹介します。

中学までは県大会で活躍する選手が高校へ進学しまったく勝てなくなってしまった事例です。

中学時代までは伸びやかな面技をもち、踏み込みの体の移動に無駄がなく持ち前の体格を生かして県大会でも上位に食い込み、団体戦でも地域選抜の大将を任されるような選手でした。

もちろん県内の有名な強豪校からオファーがあり、その中から県内1位の高校に入学してきました。

高校では正しい剣道、崩れず、継足をしてうってはいけないという指導で有名な学校でした。高校生に八段の先生のような剣道を求める学校だったのですが、彼女は継足をしないで打つという動作を身につけるのに2年以上かかったといいます。

しかも今まで自分でも得意であった伸びやかな面は継足をしないで打つことで伸びなくなり、試合でも出遅れて負けるようになってしまったとのことでした。

入学当初彼女は高校で県1位になれると言われていた逸材でしたが、スタイルの改変に苦しみ、高校では県大会で初戦敗退をしてしまい、団体でなんとかレギュラーに入り大会に出ることができましたが、大きな戦績は残せませんでした。

スタイルを変えることで伸びる選手もいますが、伸びなくなってしまうということも指導者は頭に入れてほしいと思います。

「この子はあまり型にはめすぎない方がいいかもと思ったら、指導をしすぎないことに舵を切る」ことも指導者の役割です。

もし指導内容が合わず試合に勝てなくなったらどうすれば良いか

無視!これにつきます。

高校では試合に勝つことを優先している先生が多いので、自分のスタイルを守らないからといって試合に出さないといった判断をする指導者は少ないです。

しかも推薦などで入学させるということは戦績を残したいと思って獲得に動いているので、指導者も試合に勝って実績を残したいという思いが強いのです。

指導を守らないことで、怒られることはあるかもしれませんが試合に勝ってしまえば特に気にすることはないと思っています。

それか指導者の目が光っている時は守っているふりをして、見ていない時は徹底して自分のスタイルを追求し、試合に勝てる技術を学んだ方が良いと思います。

大学に行ったら剣風などは個人に委ねられます。スタイルなどこだわりがある大学は極々少数です。

もしあなたが今指導者とのスタイルに混乱をして戦績が伸び悩んでいるのなら、指導内容は無視して試合に勝つことだけを考えて稽古する方が良いと思います。

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