2、3年前のコロナが拡大し緊急事態宣言が出されたとき、高校生が一番の目標とする選抜大会やインターハイが中止になりました。部活に青春を捧げてきた高校生にとってはかなりショックなことでした。
そんな中でインターハイの代替大会を主催し開催したことがありました。私はこの開催についてはいくら感情が揺さぶられたとはいえ、教育者、剣道界を作っていくべき人という観点では間違っていると今でも思っています。
確かに頑張ってきた生徒を見ていると最後の花道を作ってあげるということに関しては素晴らしいものかもしれません。しかし当時はコロナが拡大し始め、首相自らが決断した緊急事態宣言を真っ向から無視し、かつ全日本剣道連盟のガイドラインもまだ定まっていない中での開催でした。
これをいち個人が大会を開催しているということ自体が問題視されます。大会はことなき終えていたようですが、もしこれでコロナの感染から生徒や保護者に死者が出ることは考えなかったのでしょうか?
もし感染し死亡事故を起こしていたら、どのように責任を取るつもりだったのか。いっときの感情だけで開催してはいけない事案だと思っています。
この大会に出た関係者の判断も誤っていると思います。企業や警察なら一発でアウト、おそらくクビでしょう。しかも当時は警察に関しては、特練から感染拡大し全国的にニュースになってからは即座に稽古が中止となり約2年〜3年ぐらいは稽古ができない状況でした。
この大会の開催に連盟や委員会は通達をしているかどうかはわかりませんが、自分が連盟の関係者だったら開催した高校、参加した高校に関しては何かしらの処分をされてもおかしくないと思います。
コロナ禍になったときには基本的に県外を跨いだ移動や、練習試合は全国的に禁止の通達が文科省から出ていたはずなんですけど。
そして連盟・委員会を無視して開催したということに関しては色々な組織を敵に回す行為になりうるかもしれませんし、今後の大会での立場が非常に不利になる可能性だってあったわけです。
先生方の中には本当に素晴らしい指導をしている方々がたくさんいらっしゃいますが、ある程度の実績を重ねるとやはり権力的な考え方になってしまう方が少なくありません。特に部活での伝統校や強豪校で少し権力があるところに多いように見受けられる気がします。
このような大会の開催は、熱心で良い人となる方もいるかもしれませんが、状況を冷静に判断し人命を最優先に考えなければいけない状況だったと思います。感情論ではなく正しい判断を持って指導してほしいものです。
今後パンデミックになったときは、このような事態が起きぬよう教訓にしてほしいですね。