剣道の試合でもっとも重要なのは間合い

考察

長年剣道競技をしていくと戦い方や有名選手の打突について特集が組まれているのをよく見かけます。私も競技者だった頃はよく試合を見て打ちどころなどを見ては真似をしたりしていました。

実践から剣道を見る側、研究する側に立って気づいたのは上位の選手は自分の間合いの取り方、自身の間合いの距離感を打突の種類などで絶妙に間合いをとることができる選手が多いような気がしています。

数値データを取得したわけではないので確証や根拠を持っているわけではありませんが、剣道以外でも対人競技においてもっとも重要なのはこの間合いのやりとりを制する人が勝つ人が多いという仮説です。

小学生〜高校生までは環境要因と身体能力がものをいう

小学校〜高校ぐらいまでは身体能力がある程度、勝敗を左右することが多いように思います。

あとは道場が強い道場であったり、部活動が強いなどの環境要因も大きいと言えるでしょう。

中学生ぐらいからはこの身体能力に合わせて成長によって身長や筋力量がプラスされるので身体能力+身長+スピードなどがある程度揃って、環境の整備があればどの年代でもトップクラスを狙っていける可能性があるといえると思います。

そのため中学生〜高校ぐらいまでは身長が低くても攻防はさほど難しくはなりません。

成人期は身体能力よりも間合いと駆け引きがうまい人が優勢

大学〜大人の全日本に出るぐらいのあたりからは培ってきたベースがあって当たり前の選手が多いので身体能力や体格ではさほど差が出てきにくくなってきます。

環境要因もより厳選された世界にいく人が多いので、警察などに就職している場合は稽古環境は充実しています。人員や先生などによって多少の差はありますが稽古ができるという環境においてはさほど差はなくなるといっていいでしょう。

そこで一番重要になってくるのが相手との駆け引き、間合いの攻防になってくるのではないかと思います。

この間合いの距離感を対相手の身長や技が出てくる間合いと照らし合わせて行ければ試合運びが変わってくるように思います。

例えば身長の高い人と身長の低い人が対戦した場合、身長が高い人は相手に対して面が打ちやすい反面、間合いは近くなります。身長の低い選手は面への間合いが遠い反面、小手への間合いは近くなります。

これを試合攻防に落とし込むと・・・

身長の高い選手は面が打ちやすいですが、身長の低い選手からすると間合いが詰まってくるので小手と胴が狙いやすくなります。ヨーイドンで面を狙いにいく人はよっぽどのスピードや打てる核心がない限り打たないことが多いと思います。

では身長が高い選手はどうするのか、面は打ちやすいですが隙が生じるため身長が高い選手が低い選手と対峙するときは小手を取れるようになるとかなり攻防が変化してきます。

身長の低い選手は、当然面を狙って来られることが多いのでなるべく間合いを詰めてきたり、フェイントなどで隙を作ろうとします。そこを身長の高い選手が小手を狙えるようになったときに攻防の心理が崩れ始めるのです。

身長が高い人が低い人の隙をうむのは身長による間合いの優位性に着目して攻防を組み立てることにあります。

この相手との間合いの攻防が上手になると大人になっても試合で勝ち上がっていける人だと思うのです。

身体能力でトップクラスにいけるのは若い時だけです。全日本で戦っていこうと思ったならば身体能力では必ず限界がきます。(世界大会は別)

相手の体格差、身長による間合いの変化に気づき攻防を変えてせめていける人が全日本でもトップになっていくのではないかと思います。

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